2016年05月09日
貸主負担、借り主負担はどこが違う?

見た目に同じような損耗等でも、その原因によって貸主、借り主のいずれが負
担するかは異なってきます。ここでは、具体的な事例に基づき、貸主負担、借り主負担の違いを見ていきましょう。
貸主負担、借り主負担はどこが違う?(一般的な例で、必ず当てはまるとは限りません。)
※賃貸住宅トラブル防止ガイドライン、原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)を元に作成
貸主負担
冷蔵庫の後部壁面にできる黒ずみ、いわゆる電気ヤケは通常の使用をしていても発生するものなので、貸主が負担します。同様にテレビの後部壁面の黒ずみも通常損耗と見なされ、貸主の負担となります。
冷蔵庫下のサビ跡など
サビを放置したために跡が残ってしまった場合には、借り主が適切に対処しなかったことも原因と考えられるので、借り主が負担します。
カーペットの家具跡など
家具を設置したことで床、カーペットがへこんだり、跡が付いたりした場合、室内に家具を置くのは通常の生活に必要なので、通常損耗とされ、貸主の負担になります。
フローリングの傷など
引っ越し作業やキャスター付きの椅子などを引きずって付いた傷やへこみなど、借り主が注意していれば防げたであろう損耗等については、借り主の負担となります。同じように、飲み物などをこぼしたことで発生したシミ、カビについても、借り主が適切に対処しなかったことが原因と考えられるので、借り主の負担となります。
画びょう、ピン等の穴など
下地ボードの張り替えが不要な程度のものであれば、通常損耗と見なされ、貸主負担となります。
くぎ穴、ねじ穴など
下地ボードの張り替えが必要な程度の穴になると、通常の使用を超えたものと見なされ、借り主負担となります。
ガスコンロ置場や換気扇の油汚れなど
清掃で除去できる程度であれば通常損耗とされ、貸主の負担となります。ガスコンロ置場や換気扇の油汚れなども同様に、清掃で除去できる程度であれば通常損耗と見なされます。
タバコのヤニ
清掃で除去できないほど汚れている場合には、通常損耗とは言えず、借り主の負担となります。ガスコンロ置場や換気扇の油汚れなども同様で、手入れが悪く油汚れが付着したと判断される場合には借り主の負担になります。
畳、クロスの変色など
日照など自然現象によって起こる畳の変色、壁や天井のクロスの変色については通常損耗と考えられ、貸主の負担となります。
結露によるカビ、シミなど
結露の発生自体は借り主の責任によるものではないものの、結露を放置したことによってカビ、シミが拡大したと考えられる場合は、通常の使用を超えるものとして借り主の負担となります。
そのほか、貸主の負担とされるのは
、
・専門業者によるハウスクリーニング(借り主が通常の生活、清掃を行っていた場合)
・トイレの消毒
・エアコン設置による壁のビス穴、跡など
・フローリングのワックス掛け
・破損等はしていないが、次の入居者確保のために行う網戸の張り替え
・機器の耐用年数到来、経年劣化による自然損耗の結果としての設備機器の破損、使用不能
・特に破損等はしていないが、次の入居者確保のために行う畳の裏返し、表替え
などが挙げられます。ただし、いずれも契約内容や使用状況によって異なるので、個別に貸主・借り主との間での協議が必要です。
そのほか、借り主の負担とされるのは、
・風呂やトイレ、洗面台の水垢やカビなど、使用期間中に清掃や手入れを怠った結果、汚損が生じたもの
・他に傷をつけない手段があったにもかかわらず、天井に直接つけた照明器具の跡
・子どもやペットがつけた柱の傷や落書き
などが挙げられます。
とにかく引越しする時は出来る限り綺麗に掃除をし後は第三者や敷金診断士などに立ち会いをお願いするのも良いでしよう。
strong>

Posted by 敷金診断士 at 12:44│Comments(0)